松坂桃李&松岡茉優の言葉から見える、エンタメ界で「育つ」ということ《公式》
大塚和成です!!
週刊女性PRIME
松坂桃李&松岡茉優の言葉から見える、エンタメ界で「育つ」ということ
松坂桃李(左)と松岡茉優(右)
俳優の松坂桃李(30)が、先日開催された第10回TAMA映画賞で『最優秀男優賞』を受賞した。
「スピーチの場で、世間一般の企業だったら100%パワハラ、そんな扱いを事務所から受けていたことを松坂が明かしたのです。
ただ、それは本人も納得のうえのこと。ちょっとしたことでパワハラになってしまう世間の物差しでは、芸能の世界では成功しないのだな、ということを改めて知らされましたね」
そう語るのは映画サイト記者だ。
メンタルだけは強くなった
松坂の受賞理由には「作品ごとにまったく異なる境遇に生きる若者の姿をほとばしる情熱で息衝かせた迫真の演技は観客を魅了した」とある。
出演作品は『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』。確かに、ベクトルの違う作品に出演した。
受賞スピーチで松坂は、チーフマネジャーとのすさまじい攻防、というか一方的な攻めを明かした。
デビュー1年目のこと、松坂はドラマへの出演チャンスをつかんだが、「バーターだから、といわれました」。
つまり所属事務所の先輩が出演するため、一緒に使ってもらおうというバーター。
さらに2年目には「今年結果出さないと、おわり」、3年目には「今年結果を出さないと、本当におしまいだ」……という繰り返しの毎年毎年。だが松坂は屈しなかった。
「10年間、二人三脚でやってきて、おかげでメンタルだけは強くなりました」
と笑わせ、今の自分ができあがったのはチーフマネジャーのおかげ、と感謝した。
一方、『最優秀女優賞』を受賞した女優の松岡茉優(23)も、授賞式に出席していたが、受賞スピーチで語られたのは、パワハラという概念とはほど遠い芸能の掟。
映画『万引き家族』の撮影時を振り返った松岡は、
「今までのすべてじゃかなわない現場でした。(8歳から芸能界入りした)今までがひとつも通用しない。是枝(裕和)監督はニコニコしながらOKをしないで、もう1度もう1度、と。その声が現場に響きました」
言葉の暴力、過剰な指導は、一般社会では即パワハラになってしまうが、誰も変わりが効かないエンターテイメントの世界では、相手が傷つくことに遠慮をしていてはいいものができない。
30歳の松坂、23歳の松岡のスピーチは、命をすり減らして何かを作る芸能人の気概を浮かび上がらせるものだった。
<取材・文/薮入うらら>
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