カンニング竹山が“ガチ喧嘩”で放送事故の真相を告白「めちゃくちゃ説教した」《公式》
大塚和成です!!
カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。本名は竹山隆範(たけやま・たかのり)。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在はお笑いやバラエティー番組のほか、全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ(撮影/写真部・小原雄輝) お笑い芸人のカンニング竹山さんがAbemaTVの生放送中に、プライベートでも付き合いの深い後輩芸人、スパローズの大和一孝さんとガチで喧嘩したと話題になった。番組冒頭で「竹山さんに言いたいことがあるんですが」と切り出した大和さんは、日頃の不満を爆発させ、竹山さんは「もう帰っていいよ」と応戦。しかし、この番組の本編よりも、一部を切り取られたネット動画がバズる事態に。竹山さんは「これっておかしくないですか?」と異議を唱える。
AbemaTVの番組(「カンニング竹山の土曜The NIGHT」)で、ガチ喧嘩をしたってニュースになっていましたが、特にネットはそういうの好きですよね。でも誰かが勝手に編集した動画が、YouTubeで200万再生とかになってるの、おかしくないですか?
あの番組は僕がやりたいテーマで話すこともあるし、スタッフさんが提案することも、事前の告知で「あ、今週これやるんだ」って知ることもある。ある程度任せているから、こないだみたいに急に大和がワーワー言うようなことも起こるんですよ。後でめちゃくちゃ説教しましたけど、本人は先輩を批判したら面白くなると思ったらしいんですが、実際に始めてみたら焦っちゃってどうすりゃいいかわかんなくなったらしい。
大和は番組中に一度席を外したけど、最後に戻ってきて、それを説明して謝っているんですよね。翌週からもみんなでゲラゲラ笑いながら収録やってるし、こないだだって一緒に福島旅行にも行ってきました。最後までちゃんと見てたらわかるのに、オープニングのところだけを切り取られた動画だけを見て、いまだに「竹山が悪い」「大和が悪い」「あの2人は仲直りしたのか?」とか、どーたらこーたら……。あれ9月中旬でしょ、もう何週前の話よ?
動画がバズると、よくコメント欄に「これはガチだ」とか「ヤラセだ」とか書かれますが、今回の件で言うと、ヤラセじゃないですよ。大和が勝手に話し始めたわけだから。裏で何が起きていたかというと、大和が「竹山さんに言いたいことがあるんですけど」って番組演出に話して、「いいね」ってなったみたいなんですけど、実際やってみると笑いにもならないし、ネタになってなかったという話なんですよ。「竹山さんに怒ってるんです」っていう話を仕掛けてくるなら、ノープランじゃダメでしょ。ここまで来たらちょっと引いて自分を可愛く見せておこうとか、僕だったらメガネを触られたりしてちょっとシュンとなって「悪かった」って言い始めるとか、何となくオチを考えてスタートするわけです。そういう意味でネタを繰ってなかったってことなんです。本人も勉強になったんじゃないですかね。
僕が仲間のディレクターとプロデューサーと3人で一生懸命作っているYouTubeの「カンニング竹山~拝啓テレビ局様チャンネル」も、30万再生でバズったとか喜んでいるのに、何だこの違いはと思うわけですよ。
結局、ネットってガチ喧嘩とか放送事故とか、そういうことが好きですよね。もう7年ぐらい前になるけど、サンミュージックで作った「たけチャンネル」っていうYouTubeは完全にコント。だけどいまだに「ガチかネタか」っていうコメントがずらっと並んでいる。あれは動画を10本作ったら100万円の予算が下りるという話があって、台湾旅行しながら動画回して、みんなの旅費にしようって計画だったんですよ。それなのに、締切前日にマネージャーが「ごめん、言うの忘れてた」って言い出して、いますぐ10本作ろうって、放送作家とディレクターと僕で15分で考えて、ディレクターと僕が喧嘩するってコントを4時間で撮ったんです。そうしないと100万もらえなくなるから。
ネットで喧嘩がウケるのは、ハプニング性を望んでいるんでしょうね。予定調和じゃないものが見たいってことでしょ。でもそれをテレビでやると視聴者もすごく問題にするんですよ。テレビでそんなことやっちゃいけないって。でも動画だったら良いと思っているところがありますよね。
僕らの「拝啓テレビ局様チャンネル」は20万、30万って見てくれるようになったんだけど、それの書き込みを見ると、面白いかどうかってうコメントももちろんあるけど、テレビと比較されることが多いなと思う。これテレビでやったら面白いとか、逆に動画だから面白いんだとか。YouTubeだし、子どもが書き込んでいることが多いと思うんだけど、テレビと動画を分けて考えている子が結構いるんだなとわかるんですよね。
ユーチューバーが何かをやってみたりする単純な動画を、子どもたちが喜んで見て、すごい再生回数が上がったりするんだけど、実はそれをテレビでやってるとクソつまんねえ番組になる。あれはテレビではボツになるネタですからね。だから見ている子たちも考えが変わってきているんだと思う。動画には嘘がないと信じきってますよね。でも、実はそうじゃない。
みんなが意外と気付いていないのは、ユーチューバーが一生懸命作っている動画も、流行れば流行るほど大人たちが群がってきて、金銭が絡んで、編集も大変になるってこと。動画に嘘がないと思っているから、これヤラセだ、台本だ、ヤラセだったら大問題だとかすぐ言うんだけど、よくよく考えてみると、やらせで何が悪い! 説明してみろ!と思うわけですよ。ヤラセをやってる演者のほうもものすごい技術がいることもわかってないでしょ。もちろん、どっきりをガチでやる人もいますけど、エンターテインメントはほとんどがヤラセなんだよ。動画もテレビも、俺がやってること以外も。
この構図が何に似てるかというと、AVの問題ですよね。ナンパものとかマッサージ店ものとか、僕らは昔(というか、いまも半分)ガチだと思って見ていたわけです。でも、そんなもんガチでやったら大問題ですよ。犯罪なんだから。
きっとその場には監督もメイクさんもいるだろうし、モノを作るからにはディレクターがいて、お金が絡むからプロデューサーもいるわけです。女優さんも素人のオーディションがあるのかわかりませんけど、事務所とかがあって話が進むんでしょ。ワンカメでずっと撮るわけにはいかないから、一度止めて編集でつないだりするだろうし。世に出すということは万人が見るし、それで傷つくという人もいるし、傷ついたときにどうやって責任取るかも考えなきゃいけない。そういう裏があって成り立っている“ショー”なんですよ。
でも、そこをあやふやにするのがエンターテインメントの世界であって、そこには必死に考えて作っている人がいるわけです。「ヤラセですよ」とも、「こっちはガチですよ」とも言わないですよ。たまにタイトルで「ガチンコ」と打つことはあるけど。テレビも動画も実はそういう世界。それなのに、動画だけはガチだと感じているのは素直すぎて危険だと思うんですよね。
僕も含めてみんな、ネットって自分の時間で自分のほしい情報だけをもらいに行くわけじゃないですか。すごく便利だけど、それだけで自分の知識を固めちゃダメですよね。その情報収集って偏ってないか? 見えていないことが無いか?って考えないと。
まあ、あの後、大和には一回ちゃんと叱って、話しましたよ。僕に文句を言ったからダメだというわけじゃなく、どこがプロとしてダメかとか。その後、大和が「竹山さん相談あるんですけど」って電話かけてきて、何だよって聞いたら「来週もう一回、喧嘩ふっかけてもいいですか?」「面白くなると思うんで」って……。そういうことじゃねえって言ったんですけど(苦笑)。いまだに大和のツイッターで叩いているやつとかいるけど、それに踊らされないで毎週普通に出て、自分なりに勉強しながら楽しむしかないんですよね。
カンニング竹山さんは昔はただ怒ってる人というイメージでしたが最近は言葉に深みがありますよね。
結構尊敬してます。
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